Zoho BiginとZoho CRMの違いを比較

Zoho ツール比較・選び方
Poznan, Poland - August 23, 2025: Zoho's business software logo clearly on a laptop screen, depicting a person's hands efficiently working, symbolizing modern remote office productivity
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Zoho BiginとZoho CRMの違いを比較|中小企業はどちらを選ぶべきか

「CRMを入れたいけど、Zohoに似たようなツールが2つあって、どちらを選べばいいかわからない」

そんな声を、中小企業の経営者や営業担当者からよく聞きます。Zoho BiginとZoho CRM、名前は似ていますが、実は想定しているユーザー像と提供できる機能はかなり異なります。

この記事では、両者の違いを実務目線でわかりやすく比較し、「自社にはどちらが合うのか」を判断できるようにまとめました。ツール選定で迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

Zoho BiginとZoho CRMとは?まず基本を整理しよう

Zoho Biginとは

Zoho Biginとは、小規模ビジネス向けに設計されたシンプルなパイプライン管理ツールです。「CRMを導入したいけど、複雑なものは使いこなせない」という企業向けに、必要最低限の機能を直感的なUIで提供しています。

主な機能は以下のとおりです。

  • 案件(パイプライン)の進捗管理
  • 連絡先・顧客情報の管理
  • メール・電話との連携
  • モバイルアプリ対応

料金は無料プランから始められ、有料プランも月額数百円〜と非常にリーズナブルです。

Zoho CRMとは

Zoho CRMとは、中小〜中堅企業向けの本格的な営業・顧客管理プラットフォームです。営業自動化、マーケティング連携、AIによる商談予測など、ビジネスの成長に合わせてカスタマイズできる幅広い機能を持っています。

主な機能は以下のとおりです。

  • リード・商談・顧客の一元管理
  • ワークフロー自動化
  • AIアシスタント「Zia」による商談スコアリング・予測
  • Zoho One(他のZohoアプリ)との深い連携
  • カスタムモジュール・レポート作成

Zoho CRM には、AIアシスタント「Zia」による予測やスコアリング、レコメンド機能が用意されており、営業活動の優先順位付けや見込み度の把握を支援できます。

また、ITreview の CRM カテゴリ比較ページでも、Zoho CRM は低コストで始めやすく、操作性や機能面を評価するレビューが確認できます。特に、初めてCRMを導入する企業でも使いやすい点は、比較検討時の参考になります。

Zoho BiginとZoho CRMの違いを5つの観点で比較

比較項目Zoho BiginZoho CRM
対象規模〜20名程度の小規模ビジネス10名〜数百名規模の中小・中堅企業
主な用途パイプライン管理・案件追跡営業全体の管理・自動化・分析
設定の複雑さ低い(すぐ使える)中〜高い(カスタマイズ前提)
AI・自動化機能限定的充実(Zia・ワークフロー等)
価格帯無料〜月額数百円/ユーザー月額数千円〜/ユーザー

①対象ユーザーの規模感が違う

Biginは「とにかく手軽に始めたい」小規模チーム向けです。個人事業主、フリーランス、起業直後のスタートアップ、あるいは社員10名以下の会社が主な想定ユーザーです。

Zoho CRMは、ある程度営業チームが組織化されており、「属人的な営業管理から脱却したい」「成長フェーズに合わせてカスタマイズしたい」という企業に向いています。

②「パイプライン管理」と「総合営業管理」の違い

Biginはあくまで案件のパイプライン(進捗フロー)を見える化することに特化しています。「どの商談がどの段階にあるか」を把握するのが主な目的です。

Zoho CRMはそこに加えて、リード獲得から受注・アフターフォローまでの営業プロセス全体を管理できます。マーケティングオートメーション(Zoho Campaigns)や顧客サポート(Zoho Desk)との連携も視野に入れられます。

③カスタマイズ性の差

Biginはあえてシンプルに作られているため、カスタマイズ項目は限られます。「業種特有の管理項目を追加したい」「独自の承認フローを組みたい」といったニーズには対応しきれません。

Zoho CRMはカスタムフィールド・カスタムモジュール・ワークフロールール・Blueprintによるプロセス管理など、業務に合わせて柔軟に設定できます。その分、導入時の設定工数は必要です。

④AI・自動化機能の差

Biginにも簡易的な自動化機能はありますが、Zoho CRMのそれとは比較になりません。

Zoho CRMではAIアシスタント「Zia」が商談の勝率予測、最適な連絡タイミングの提案、異常な売上変動の検知などを行います。前述の2026年4月アップデートで日本語対話機能も強化されており、実務での使いやすさが向上しています。

⑤価格の差

Biginは無料プランあり、有料プランも低コストで始められます。「まずはコストをかけずに試してみたい」という場合はBiginが選択肢に上がります。

Zoho CRMは有料プランのみ(無料トライアルあり)で、機能が充実している分、コストはBiginより高くなります。ただし、Zoho Oneというサブスクリプションに含まれるため、Zohoの他ツールも使う場合はトータルコストが安くなるケースがあります。

中小企業はどちらを選ぶべき?判断チェックリスト

以下の項目を確認してください。当てはまる数が多い方を選ぶのが目安です。

Zoho Biginが向いているケース ✅

  • 社員10名以下、または営業担当が1〜3名程度
  • まずは無料・低コストで試してみたい
  • 案件の進捗をシンプルに見える化できれば十分
  • ITツールに不慣れなメンバーが多い
  • 今すぐ使い始めたい(設定に時間をかけたくない)

Zoho CRMが向いているケース ✅

  • 社員20名以上、または営業チームが組織化されている
  • リード獲得から受注後フォローまで一元管理したい
  • 営業活動のデータを分析し、改善のPDCAを回したい
  • ワークフロー自動化で営業工数を削減したい
  • Zoho One全体で業務基盤を構築する予定がある
  • AI(Zia)による商談予測を活用したい

導入事例 :Biginから始めてCRMへ移行した製造業B社の場合

課題:営業担当3名がそれぞれ個別にExcelで案件を管理しており、案件情報の持ち方や更新頻度も担当者ごとにばらついていました。そのため、どの案件が今どのフェーズにあるのか、次に何をすべきかといった情報が担当者本人にしかわからず、進捗共有が属人的になっていました。

また、上司や他のメンバーが状況を確認したい場合でも、その都度ファイルを確認したり、本人に直接聞いたりする必要があり、リアルタイムで案件全体を把握しにくい状態でした。結果として、対応漏れやフォローの遅れが起こりやすく、営業活動の再現性やチームとしての連携にも課題が生じていました。


導入:まずZoho Biginの無料プランを導入し、各営業担当が個別に管理していた案件情報を一つのパイプラインに集約しました。これにより、案件ごとの進捗状況や担当者、次の対応内容をチーム全体で可視化できるようにしています。

導入初期は、複雑な機能を使い込むことよりも、全案件を同じ基準で見える化することを優先し、その結果、案件管理の属人化を防ぎながら、営業状況を共有しやすい土台づくりをしました。


結果:案件情報を共通のパイプライン上で管理できるようになったことで、商談の抜け漏れが減少しました。進捗状況や次回アクションが見える化されたことで、対応漏れや停滞案件を早い段階で把握しやすくなっています。

さらに、週次の営業会議では、これまで必要だった事前の情報整理や報告準備の手間が減り、準備時間も短縮されました。その結果、会議は単なる進捗報告ではなく、案件の優先順位付けやフォロー方針を確認する場として機能しやすくなっています。

その後、営業チームが6名に拡大したタイミングで Zoho CRM へ移行。ワークフロー自動化や Zia による予測機能も活用できるようになり、営業プロセスの標準化と案件管理の精度向上につながりました。

このように、Bigin を入門編として使い、組織の成長に合わせて Zoho CRM へステップアップする進め方は有効です。実際に Zoho 公式でも、Bigin から Zoho CRM へのデータ移行方法が案内されており、Zoho のエコシステム内で移行を進めやすい環境が整っています。

よくある質問(FAQ)

Q. Zoho BiginとZoho CRMは同時に使えますか?
A. 基本的には同時並行利用は想定されていません。Biginで運用を始め、必要になった段階でCRMへ切り替えるのが一般的なステップです。


Q. Zoho CRMに移行するとき、Biginのデータは引き継げますか?
A. 顧客・案件情報はエクスポート・インポートで移行可能です。詳細はZoho公式サポートに確認することを推奨します。


Q. 中小企業でZoho CRMを使いこなすには専任のIT担当が必要ですか?
A. 専任は必須ではありませんが、初期設定・カスタマイズには一定の時間と知識が必要です。外部のZohoパートナー(認定コンサルタント)にサポートを依頼する企業も多くあります。


Q. IT導入補助金はBiginやCRMの導入に使えますか?
A. 2026年は、旧IT導入補助金が「デジタル化・AI導入補助金2026」に改称され、通常枠やインボイス枠などの区分で公募されています。補助対象にはソフトウェアやクラウド利用費を含むITツール導入が含まれており、CRM・SFAツールも登録ITツールであれば対象となる可能性があります。実際の適用可否は、最新の公募要領と登録ITツール情報を確認することが重要です。


Q. Zoho BiginとHubSpot(無料)はどちらがいいですか?
A. HubSpotの無料版は連絡先管理・メール追跡に強みがあり、マーケティング寄りです。Biginはパイプライン管理に特化しており、商談の進捗を視覚的に管理したい場合はBiginが使いやすいと感じるケースが多いです。自社の課題が「商談管理」なのか「リード獲得・育成」なのかで選ぶのが得策です。

まとめ・次のステップ

この記事のポイントを整理します。

  • Zoho Biginは、小規模チームでもすぐに使い始めやすいシンプルな案件管理ツールです。まずはコストを抑えて営業情報を見える化したい企業に向いています。
  • Zoho CRMは、営業プロセス全体をカバーできる本格的なCRMです。AI活用や自動化、他ツールとの連携まで見据えて営業基盤を整えたい企業に向いています。
  • Biginから始めてZoho CRMへ移行するというステップアップも、有効な選択肢です。まずはシンプルな運用で定着させ、組織の成長に合わせて機能を広げていく進め方ができます。

「まず小さく始めて、成長に合わせて拡張したい」という考え方は、DXツール導入において非常に堅実なアプローチです。大切なのは、最初から完璧なシステムを求めるのではなく、現場に合ったレベルでスタートし、使いながら改善していくことです。

どちらのツールが自社に合うか判断に迷う場合や、Zoho環境の構築・カスタマイズについてご相談があれば、ロジカルファクトリーへお気軽にお問い合わせください。お客様の業務フローを確認した上で、最適なツール選定からその後の運用サポートまで対応しています。

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